出産する人生 描けず 〜婚姻出生が減り続ける日本〜

こんにちは!

横浜市の結婚相談所 8bit婚活エージェンシーのハチですヾ(o´∀`o)ノ

 

先日の厚生労働省から発表された2021年出生数推計と、6月3日に発表された2021年合計特殊出生数はとても衝撃的でしたね。

6月4日の日経新聞の1面と3面にも掲載されていて、大きな社会問題として取り扱われています。

2020年コロナ禍から2年経過して、人々の生活にコロナの影響が出てくる中で、出会いが減り、婚姻数も落ち、出生数の減少が目立ってきました。

 

2021年度の人口動態統計(速報値)

厚生労働省の人口動態統計速報(令和4年3月分)では、2021年の婚姻数528,374組に対し2022年の婚姻数が525,273組と、減少こそわずか0.6%でしたが、出生数は2021年853,214人で2022年842,131人と1.3%の減少でした。

コロナ禍前の2019年では、婚姻数が599,007組と3年で73,734組が減り、出生数が865,239人と3年で23,108人が減りました。

日本経済新聞でも連日のように報道されています。

出生数、最少を更新 21年度1.3%減の84.2万人

21年の出生率1.30 少子化対策見劣り、最低に迫る

 

特に興味深いのが6月4日の日本経済新聞3面に記載されている「出産する人生 描けず」という記事が非常に印象的です。

一方、未婚女性で「結婚せず仕事を続ける」と答える人は増え続け、「結婚しても子供を持たずに仕事を続ける」とあわせると25%を占める。日本総合研究所の藤浪匠・城跡主任研究員は「未婚女性の4人に1人が『出産する人生を想像できない』と考えていることを示す」と話す。
(中略)
妻が30~34歳の夫婦が理想の子ども数を持たない理由として「子育てや教育にお金がかかりすぎる」と答えた例が8割に達した。若い世代の雇用環境は悪化し、生まれた年が最近になるほど年収の水準が低い。

 

雇用状況や経済状況はコロナ禍以前の問題であったのですが、コロナ禍による人々の意識思考の低下により、子供を持つことへの気持ちが削がれていったのでしょう。

将来に不安を感じる中、子供を持つ価値というものがそれを上回ることができない、自分以外の他の人を支える余裕がないといったところだと思います。

 

欧米各国の出生数

コロナ禍による出生数が低下するのであれば、日本よりもっと感染数や死亡数が多い海外諸国の出生数は同じく下がっているはずだと推察されますが、各国の状況もまた違ってきているようです。

 

アメリカ「米国の出生数が増加、2014年以来-黒人やアジア系などは減少

米保健統計センター(NCHS)が24日公表した暫定データによると、21年の出生数は前年比1%増の366万人。20年は3.8%減だった。

 

ドイツ「なぜドイツはコロナ禍なのに出生数増えたのか? カギは「育休」と呼ばない制度?!(神木桃子)

2022年2月、ドイツ連邦統計局が2021年1月から11月までの出生数の速報値を発表しました。それによると、2020年の同時期に比べて1万5000人も増加。

 

韓国 @aicezuki123ツイート

・2021年の人口自然減が過去最大
・出生数は4.35%減り260,500人

 

多くの研究調査によって、欧米諸国とアジア圏(特に東アジア)との違いが調査発表されていますが、日本をはじめ東アジアでの出生数は婚姻数と出生数は連動していると言われています。

結婚をしないと子供を産まないという考え方や文化があり、コロナ禍での出会いが減ることは出生数が減るということになります。

 

フランスとデンマークでの政策とは

結婚相談所のブログにより政治や政策について論じるつもりはないのですが、婚姻数や出生数の減少はどうしたら改善していくのかと考えるとやはり国民の不安や不満を解消し、結婚することや子供を産むことへの希望を持たせていくことなのだとは考えています。

 

フランスで1999年に民事連帯契約制度「PACS(Pacte Civil de Solidarité)」が制定されました。

PACSは「同性または異性の成人2名による、共同生活を結ぶために締結される契約」(フランス民法第515-1条)と定義され、結婚をしていなくてもパートナーの社会保障や税制、財産などの権利が保証されます。

コロナ禍で振り返るパートナーシップ制度「PACS」

実際、フランスで出生した子どもに占める婚外子の割合は非常に高く、2017年には約770,000人の新生児のうち、その6割となる約461,000人がPACSや事実婚を含む世帯における婚外子である(海外県含む)。

 

子供を持つことへの不安を無くすために社会保障や税制などの政策を実施していった結果とも言えるでしょう。

 

デンマークの例では、子供ができた後に父親が育児休暇をとることのプラス要因をハッキリと示したことで出生数の改善にもつながったようです。

「取る」から「長く取る」へ 育休を取る父親が9割以上の北欧社会がいま変えようとしていること

事情が変わったのは2019年、EUが加盟各国に対し、最低でも9週間の父親専用の育児休暇を導入すべきという「EU指令」を出したことだった。
EU指令は、加盟国の政府に対して法的拘束力を持つ。デンマークの制度改正はこの内容に沿った形で、導入期限である今年8月から、父親専用の育児休暇が11週間まで伸びることになったわけだ。
(中略)
ひとつは、二人の親が密接に育児に関わることが、子供の発達にプラスの影響を与えるという点。
もう一つが、父親自身へのプラスの影響だ。
父親が長期の育休を取った家庭では、子供と父親の関係がより密接になり、問題を抱えた子供が父親を頼る傾向がより強くなるという。
父親は育児により自信を持ち、それが父親自身の幸福感にプラスの影響を与えているそうだ。

 

子供を持つことへの期待や将来性、成長につながっていくことを政治と社会とで意識改革していくことが結果に繋がっていくことがわかります。

 

結婚、出産、育児の意識

日本では、さまざまな要因があると思いますが、男性は結婚することへの経済的不安、女性の出産育児による精神的不安が大きいのだと推察されます。

保健指導リソースガイド【新型コロナ】コロナ禍で結婚数と出生数が減少 将来に対する不安や経済的な悩みが原因?

コロナ禍により少子化が加速 コロナ禍が終われば結婚や出生は増える?
今回の研究により、コロナ禍により、将来に対する漠然とした不安や経済的な悩みが生じ、結婚や離婚を延期・中止し、またパンデミックに直面してカップルが妊娠の意思を変化させた可能性が考えられる。

 

コロナ禍の人と出会うことの意識変化があり、人との繋がりを強く認識した一方、繋がらない縁や出会いについては避けるようになりました。

結婚をして妊娠出産をするという未知の経験に対しても後ろ向きな考えになっているのかと思います。

 

感染が拡大しないようにするべきであり、不要な外出や会食は避けるべきであるのに変わりはありませんが、社会全体が過敏になりすぎることで若者の出会い意欲や結婚意欲、出産意欲を抑制していることもあるのではないでしょうか。

2020年のコロナ禍が始まって若い世代の感染爆発が報道され、若い世代を標的にした世論なども記憶に新しいかと思います。

それによって若い世代が出会うことをやめ、結婚出産の意識が低下していっているのも要因の一つなのではないかと思います。

 

若い世代の飲み会を声だかに否定する反面、自分達は満員電車に揺られて仕事に行くという光景も見られました。

飲み会は大声で話すから飛沫感染しやすく、電車は黙って乗るから感染しにくいという、よくわからない理論も当たり前に正当化されていました。

出生数が減ってきている要因を、出産可能年齢の当人たちの意識とだけ片付けるわけにはいかないのではないでしょうか。

コロナ禍による出会いが減り、出会えなくなっているから婚姻数が落ちているというというだけではなく、コロナ禍でなんとか人との繋がりを持とうとすると周囲から的にされてしまう。

 

そんな中、出産をする人生は描けないことだと思います。

若者たちの出会いや恋愛、恋人関係や夫婦関係など社会的なサポートももちろん必要ですが、結婚出産を経過した中年以降の大人たちも一緒になって意識を変え、出会いや恋愛、結婚について一緒になって考え行動していくことが求められているのだと思います。

 

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